これまでの病院の組織はいわゆる「たて割り」で、診療部・看護部・リハビリテーション部・事務部といった専門職種で区分けされていました。しかし、近年、病棟における多職種でのチームアプローチの重要性が強調され、専門職種間の横の連携強化が必要となってきました。
そこで当院では、病棟というケア現場を中心としたチームマネジャー制を新たに導入、徹底したチームアプローチの推進を図っています。
■マトリックス組織について
チームマネジャー制の考え方の基本になったのは、いわゆる「マトリックス組織」というものです。
「マトリックス組織」について簡単に説明します。
全ての専門職が最大かつ最高の実践力を発揮しても、それぞれが分離し連携されなかったら、その結果は決して十分なものとはいえず、むしろ逆効果になってしまう場合もあります。
当院では、チームアプローチの機能を十分に発揮するために、水平方向ではチームマネジャーの管理下で全職種が共通の目標を持って、一つのチームとして活動します。
さらに併行して、垂直方向では教育研修部の部門チーフ(補佐)が専門職としての質の維持向上のための活動を行っています。このような双方向の管理運営体制を「マトリックス組織」と呼んでいます。
教育研修部 |
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看護師・ 介護福祉士 (Ns・CW) |
理学療法士 (PT) |
作業療法士 (OT) |
言語聴覚士 (ST) |
ソーシャル ワーカー (SW) |
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北4階病棟 | 22名 | 12名 | 10名 | 4名 | 1.5名 |
南4階病棟 | 22名 | 12名 | 9名 | 4名 | 1.5名 | |
北3階病棟 | 23名 | 13名 | 9名 | 4名 | 1.5名 | |
南3階病棟 | 23名 | 12名 | 10名 | 4名 | 1.5名 | |
北2階病棟 | 23名 | 12名 | 10名 | 4名 | 1.5名 | |
南2階病棟 | 23名 | 13名 | 9名 | 5名 | 1.5名 |
■多職種によるチームアプローチ

多職種によるチームの実際を紹介します。当院では33床の1病棟を1チームとしています。1フロアは2病棟つまり2チーム編成となっています。平成21年12月時点では2フロア4チームが業務を行っています。各チームにはチームマネジャーを1名置き、フロア配属の医師3名と連携しながら、約49名の多職種のメンバーを統括しています。
専門職の構成は、看護師が12名、ケアワーカー(介護福祉士)10名、理学療法士11名、作業療法士10名、言語聴覚士3.5名、ソーシャルワーカー(社会福祉士)1.5名、管理栄養士・薬剤師がフロアに1名の配属となっています。
看護師、理学療法士、言語聴覚士に関してはサブマネジャー、ケアワーカーにはサブマネジャー補佐がそれぞれ位置づけられ、リーダーとしての役割を担っています。